みなさんは「ウグイの旬」の時期はご存知ですか?

ウグイの旬は11月頃の冬から産卵期である3月から6月までの春と言われています。

春はウグイの産卵期であり、子持ちのウグイを食べられる時期でもあります。
また、産卵期のウグイは体色がオレンジ色に変わることから、北陸地方の一部地域では「サクラウグイ」と呼ばれ、郷土料理となっています。
ウグイ料理で有名な長野県千曲川の「つけば漁」も産卵期のウグイの特性を利用して行われる漁法です。

冬のウグイは脂が乗っており、「寒バヤ」と呼ばれとても美味だと言われています。
ですが冬は魚の活性も低く、釣ることも難しいため一部地域ではそんな冬のウグイを獲る独自の漁法があるのです。

ということで今回は冬のウグイ「寒バヤ」にフォーカス!
清流の寒バヤを甘露煮と炊き込みご飯で味わいました!

その味わいはいかに? 乞うご期待!

冬のウグイについて

冬のウグイは「寒バヤ」と呼ばれ、ウグイがとても美味しい旬の時期です。

美味しい理由としては、身には脂が乗っていることと、冬の川の水質から、淡水魚特有の魚臭さが軽減されるからです。

しかし冬は魚の活性も下がるため、釣ることもとても難しいです。
そのため、高知県四万十川の「イタチ漁」や、岐阜県郡上市の「うわな漁」などといった冬のウグイを獲るための漁法が存在しています。

冬のウグイ獲る! 岐阜県郡上八幡発祥「うわな漁」とは?

「うわな漁(魚穴漁)」とは、冬のウグイの習性を利用した漁法です。
11月から12月上旬までの冬季に、 川のトロ場や浅瀬に穴を掘り、その穴へ石を詰め込み仕掛けを作ります。その穴はウグイが越冬をする場所になります。 1ヶ月程度仕掛けを放置し、仕掛けの周りを巻くようにタテ簾(す)を囲い、石をのけながら隙間に入り込んだウグイを箱や筌(うえ)に追い込み獲るというものです。

うわな漁が行われていた昭和時代は、今ほど物流が発達しておらず、山間部の郡上地域ではウグイをはじめとした淡水魚は重要なたんぱく源でした。

今ではうわな漁を行う方はおらず、うわな漁を行っていた方に聞くところ、昭和60年頃でうわな漁をやめているということでした。

冬のウグイは美味しいのか!? いざ実食!

ということで郡上八幡の清流で獲れた冬のウグイを甘露煮炊き込みご飯にしていただいてきました!
果たしてその味はいかに!?

ウグイの甘露煮

まずはウグイの甘露煮を実食! 醤油や酒、砂糖を用いてじっくりと煮込まれています。

う〜ん! 濃い味付けなのに、噛み締めた後に清々しい川の香りが口いっぱいにひろがります!
身は川魚特有のさっぱりとした味わいです。

ウグイはもともと小骨が多い魚でありますが、骨も柔らかくなっており、頭から尾まで美味しくいただけました!

ウグイの炊き込みご飯

甘露煮とはうってかわって、素材本来の味を楽しめる薄味でした。
聞くところによるとウグイの骨や頭で出汁をとっており、薄味ながらも旨味は十二分に感じられます。
とても上品な味わいで胃もたれもせず、何杯でもいただけちゃいそうな美味しさでした!

岐阜の川人文化研究会主催「うわな料理を食する会」

実は今回は、岐阜の川人文化研究会主催の「うわな料理を食する会」にご招待され、冬のウグイの味わってきました。

僕自身ウグイ協会として少しだけウグイの魅力についてお話しさせていただきました。

会には大学教授の方や、博物館の学芸員、漁協の方など、魚に強い関心を持つ専門家の方々が多く参加されていました。

今回の会を通してよりウグイについて深く学べ、ウグイの可能性をより一層実感することができました。

冬のウグイは釣ることが難しい魚ではありますが、一食の価値ありの美味しさです!
ぜひ味わってみてくださいね!