ウグイは「まずい」と言われることが多い魚です。
確かに川魚特有の泥臭さや小骨の多さなどが目立つ点があり、事実SNSやブログでも、「まずかった」、「美味しくない」という意見が目立ちます。
しかし、一部では「美味しい」という声があったり、筆者自身実際に味わってみると「意外と美味しい」ということがわかりました。
正直「言うほどまずいか?」というのが、個人的な感想です。
今回はそんな賛否両論ある「ウグイの味」について。
「ウグイはどうしてまずいと言われるのか」。
その理由と原因を解明していきます。
そもそもウグイってどんな味?
ウグイは白身でとても淡白な味わいの魚です。
身自体にはあまりクセがなく、ふわっとした柔らかい舌触りが特徴です。
個人的な感想ですが、ニジマスに近い味だと感じました。
ニジマスといえば食用でも人気の魚ですが、そんなニジマスの味に近いウグイがなぜまずいと言われてしまうのでしょうか?
また、一部では郷土料理として親しまれている地域もあるほど、味については美味しく食べられている実例もあるのです。
水質が悪い環境でも生きていける
食用にされる代表的な川魚であるイワナやアユといった魚は、水質が綺麗なところでしか生きていくことができません。
一方ウグイは水質が悪い環境でも生きていける魚です。イワナなどが住む渓流域はもちろん、下流域やダム、海に至るまで生息地が幅広いことが特徴です。
基本的に水質が悪い環境で育った魚は臭く、美味しく食べることが難しいです。
そういった理由から、渓流域のウグイは臭みが少なく美味しく食べることができますが、逆に水質の悪いダムや用水路で育ったウグイは、臭みが際立ち美味しく食べることができません。
水質の悪い環境で生きていけることが故に、水が汚い場所で釣れたウグイを食べた人が「ウグイはまずかった」と言った情報が認知されている現状があるのではないでしょうか。
また、戦後の時代、ウグイは貴重なタンパク源がとれる食材として日本人に親しまれてきた魚です。現在は当時と比べると水質が悪化傾向にあります。このことから、ウグイがまずいといわれるようになってしまったのも、一部私たち人間にも原因があるのではないかとも考えています。
川魚特有の泥臭さがある
一般的に淡水魚は、海水魚と比べて「泥臭い」という印象が強いと言われています。
その理由は、先述した「水質」の問題が大きく、水質が悪い場所にいる個体はどうしても泥臭さが強く出てしまいます。また、鮮度が落ちることでさらに匂いが悪化してしまうので、早めに調理することも大切です。
食べることを前提するなら、淡水・海水域問わず、水質の良い環境で漁をすることをおすすめします。
また、ウグイの臭みは皮と血合いの部分に強く感じられます。しっかりと血合いと滑りを取り、必要に応じて酢で臭みを緩和させたり、薬味を添えることできっと美味しく食べられるはずです。
小骨が多い
ウグイはコイの仲間の魚です。コイ科の魚は共通して小骨が多く、さらに骨の1本1本が枝分かれしています。そのため、ウグイを調理する際は骨切りをしたり、骨ごと食べられる調理法(唐揚げや甘露煮など)で食べることをおすすめします。
だまされたと思って是非一度食べてみてください!
ウグイは私たち日本人にとってとても身近な魚です。
しかし、その存在は一般的には意外と知られておらず、知られていてもあまり良い印象を持たれていないのが現状です。
今回執筆したように、ウグイが「まずい」と言われてしまっているのにもたくさんの理由がありますが、実際に味わってみると「意外と美味しい!」との声をよくいただきます。
しっかりと魚の特性を知り、適切な調理法で料理ができれば、きっと美味しく食べられます。
もしウグイの味が気になった方はぜひお子様と、友人と釣りに出かけウグイを釣って食べてみてください。
ウグイを調理する際は是非下記の記事も併せてお読みください!